以前人事の担当をしていたとき、よく人事異動に関して質問されました。
まずは、人事異動のからくりというか、どのように決まっているのか?誰が決めているのか?
という点についてです。
これは、だいたい以下のようなパターンがあります。
- 人事部が決める。
- 経営者が決める。
- 人事部が案をつくり、それをもとに経営者が決める。
一般的なのは、現場の問題や退職者の動きを見つつ、人事部が素案を作り、それを見ながら経営者と話し合って決めていくという感じだと思います。
次に多いのは、異動するのはどんな人?という質問です。
これは次のようになります。
- トラブルメーカー
日本の法律では解雇にすることが難しいので、点々とさせて、他の社員に対するダメージをできるだけ減らすという手法をとることがあります。
部署によって仕事の内容が大幅に違う場合、トラブルメーカーになる人は他部署に異動させにくいから、その部署に閉じ込めておくという方法をとることもあります。
トラブルメーカーではあるけど、長く同じ仕事をしているというアドバンテージだけで、とりあえず使えるからです。
そのせいで、いいひとほどすぐ異動になって、嫌な人はいつまでも残っていると言われたりします。 - 能力が低い人
単純に仕事ができない人は、いなくなってもあまり困らないので、異動させやすいです。
また、たまたまその仕事が苦手なだけという可能性もあるので、その可能性にかけて異動させてみるということもあります。
ネガティブな理由での異動が多い会社は、異動が多い人は無能だというレッテルがはられたりしますが、ネガティブな異動だけということはありえないので、有能な人も異動はそこそこしていることが多いです。 - 玉突き
他の人の異動によって、玉突きで他の部署に異動させられるというパターンも良くあります。 - 優秀な人
優秀な人、エースと呼ばれている人は、経営陣の目に留まって一本釣り(引き抜き)にあったりすることがあります。
トップダウンの会社では、こういったことがたまに起きます。
出世コースに乗って、どんどん異動していくというパターンとその優秀な能力が完璧にはまる部署に配属されて、そのままずっと同じところというパターンがあります。 - 若い人
若い人の場合は、会社によっては適性を見極めるために、入社初期のころに、異動が多い場合があります。
個人的には、そういう意味での異動はやりすぎ注意だと思います。
30くらいまでに、3か所程度がちょうど良いのではないかと考えています。 - 異動希望を出している人
異動希望を出している人は希望先に空きがでたときに選ばれる人になる可能性が少し上がります。
そういえば、あの人って人事担当者の頭に浮かぶので、玉突き要因としての異動の可能性があります。
異動が多いと疲れる?
異動が多いと正直疲れますね。私は前職で、最初の3年間で3か所異動しました。
中途社員で、元プログラマということで、ポジティブな意味での異動でした。
事務処理が多い会社だったので、定型の処理は、データの整備、作業プロセスの改善をすることで、作業時間が大幅に減り、しばらくすると暇になるので、非定型業務に注力することができました。
そのため、将来は経営にかかわるような仕事をさせてくれる予定でいろいろ経験させてくれるつもりで、異動させられていたようですが、正直疲れるなって思っていました。
元プログラマのテクニックを生かして、作業を高速で仕上げることができるといっても、仕事の内容を理解するのは、それなりに時間がかかります。
作業をこなしつつ新しいことを覚えて、やっと一通りできるようになったと思ったとたんに異動と言われたら少しショックです。
何年かかけて、他の人でも効率的にまわせるようにしようと考えていろいろ計画していたのが一気に吹っ飛びます。